おかいさんといっしょ

おかいさんが極めて個人的なことを吐き出すからいっしょういっしょにいてくれやみたいなブログ

Devil's villege

 『魔界村』というゲームがある、1985年に稼働を開始した横スクロールアクションゲームであり、現在もカプコン社のゲームにキャラクターがゲスト出演したりする程度には知られた存在である。続編もいくつか発売されたのだが、2006年の『極魔界村』を最後にシリーズが途絶えている状況だ。

 

昨今のヒットゲーム開発の主流は日本ではなく海外、特に一大市場となった北米に舞台を移している。こうなったのは日本のゲーム文化に対する姿勢や資金の流れ等いろいろな問題があり、ここでは割愛させていただくが、ともかく現在では海外市場を主眼においた開発が必要となる。

 

そこで魔界村2019ver.を考えてみる、さまざまな改良を施しドラマチックなゲームを提案したい。

 

魔界村2019ver.

魔界村の冒頭は、墓場でパンツ一丁のおっさんがお姫様とデート中、突如襲ってきた魔族に姫をさらわれるという流れでおっさん戦士アーサーの冒険がスタートする。

 

墓場でパンツ一丁デートというのがもう相当まずい、主人公の正気が疑われる。ニューヨークのオシャレなレストランとかにしよう、アーサーの服装もパンツ一丁からスーツスタイルに変更だ。

 

そして食事中魔族に襲われるんだけど、原作ならばダメージを受けると鎧姿からパンツ一丁になってしまう。またか、どんだけパンツ一丁好きなんだ、露出癖もいいかげんにしろ。安易な肌の露出は年齢制限に引っ掛かってしまうのでここはボディスーツにしよう、スーツの下のスーツ、シャツの下に全身タイツ着ていると思ってもらえば良い。

 

そしてアーサーは姫を助けるため冒険に出発するが、原作のように投げ槍とかで対抗するのはやや地味なので変更。冒頭の戦闘で魔族の爪から受けた傷からDNAとかそういう何かがイイ感じに合わさり、悪魔の力を使えるミュータントとして目覚めることにしよう。全身タイツだしアメコミヒーローみたいで丁度いいハリウッド感だ。

 

アメコミヒーローと化したアーサーの冒険が続くが、その途中で家族が殺されたり、ポッと出の女と浮気したり、他のミュータントが干渉してきて殺し合いになったり、ダークサイドに堕ちて魔族側の勢力に鞍替えしたり、浮気相手の女が死んだり、以前死んだはずの家族はクローンで本物は生きていたり、よくわからないミュータントチームに所属したり、そこの女ミュータントと浮気したり、同僚のミュータントと方針の違いからチームを抜けたり、原点回帰すると今までの展開全部無かったことにしてパンツ一丁になったりする。

画太郎先生かよと思われるかもしれないが、本場アメコミも本当にこういう展開だらけなので北米市場では問題ない。

 

そして大魔王と対決することになるアーサー。大魔王の力は強く苦戦するが、己の人間である部分を捨て完全に悪魔化することで大魔王を超える力を出せることに気付く、しばし葛藤後、戻れなくなっても姫を救えるならばと覚悟を決め大魔王を倒す。

 

気が付くと大魔王を倒し、さらに自我も保っていた、姫の愛の力とかそういうやつで人間性を保てたのであった。

 

さぁ城に帰ろうと姫と共に歩みだすアーサーをバックにスタッフロールが流れキャラクター紹介が始まる。そして画面に映し出される浮気相手の女2名。

 

 

 

「あなたは本物の悪魔よ」

姫の最後のセリフと共にパンツ一丁で城を追い出されたアーサーであった。

 

 長門龍希 @rukusasu さんのお題『魔界村』より

 

岡井オンライン2019

みなさん御機嫌よう、本年もよろしくお願いいたします。

 

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2019年はもっと文字を書いたりいろいろする年にしていきますので、岡井の活躍に期待したりお仕事をくれたりしたらいいんだと思います。

 

まずははじめの企画として年末にひっそりと募集していた、いただいたお題を全部コラムにするという年末もいっしょ企画をこれより順次公開していきます。私は普段けっこう時間をかけて構成を考えるタイプなので、短期での執筆はまぁまぁのチャレンジですが楽しんでいただければ幸いです。

レビューサイトモンスターズ

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食べログ価格.com@コスメ、世にはいわゆるレビューサイトが多くある。これらのサイトはその商品やサービスに対し消費者目線で感想を書きこみ、それを後続の消費者が参考にできるという部分が魅力の一つとなっており、私も参考にさせていただくことが多い。情報収集手段として優秀なことは現在の利用者数から見ても明らかだろう。

 

いわゆるサクラが紛れ込むことや不明瞭な評価基準、サイト側の情報操作によって公平な視点が損なわれるという点などが問題視されることもあるが、そうしたサイトの多くは問題の改善に取り組んでおり、利用する側もどういった視点で見るべきかを意識するにつれて、レビューサイトの存在は一過性のブームではなく既に一つの情報元として定着している。

 

こうしたサイトは基本的に情報量が多い方が価値があるため、書きこみの敷居はかなり低く設定されており、明らかに虚偽の情報や反社会的な内容でない限りは基本的に掲載される。だからこそ気軽に利用できるわけであって、多くの人の共感を呼ぶ書きこみをする人などは人気レビュアーとして芸能人的な人気を集めたりするくらいだ。

 

しかしそれとは逆に、少々共感を集めづらい独特な方々もいらっしゃるのが世の常。ここでいう独特とは趣味嗜好の偏りではなく、根本的にレビューとしてどうかというクセが強い方々のことである。

 

何者にも縛られない本当のアタシという強烈なモンスターは、今日もレビューサイトにありのままのスタイルをみせる。

 

少々前置きが長くなったが、ここからは文例を出しながらそうした彼等のレビュースタイルを紹介していきたい、なお今回は飲食店レビューのケースを取り上げる、簡単に言えば食べログモンスター図鑑だ。

 ※例文はあくまで創作ですが、筆者が実際に読んだものを参考としています。

 

隙あらば自分語りモンスター

ーー私は生来敏感な舌を持っており、特に食べ物の鮮度に関しては数時間単位で感じ取れるほどです。知人を介して飲食店の試食を依頼されることも多いのですが、最近は店主の意識の低さには悲しみを感じることも少なくありません。数十年前にフランス旅行に行った際に食事をした◯◯ホテルのシェフなどは私に握手を求めーー

(東京都・シュペルエッフェル)

 

  

上から目線はレビューサイトの基本と言ってもよく、珍しいことではない。批評家気取りとも言われることもあるが、そもそも何かを採点する側となると意図せずしてそうした文体になることは多いものだ。ただ問題なのはその評論家様がご自身の高貴な背景を語らいあそばれることに夢中になるあまり、読み手にとって関心の無い自慢話が延々と続くことにある。

レビュー内での彼らの多くは、あふれる資金力と絶対的な味覚を持ち、さらに人望も厚く高級店や美食家の間でも一目置かれるというなろう小説の主人公も真っ青のやりたい放題な存在。肝心のレビューは要約すると全文中の1/5程度ということもざら。

とはいえこのタイプは文中の雑音が煩わしい程度であり、レビューとして破綻しているほどではなく、必要部分だけを抜き出せればそこそこちゃんと書いていることも多い。

 

 

お山の大将モンスター 

ーー国道沿いに新規出店した有名ハンバーガーチェーン、今回はオーソドックスなランチバーガーセットをオーダー。

待つこと数分、私も自分の時計でカウントしていたが規定の3分はなんとか超えずに受け取り、まぁ及第点か。

肝心の味だが、パティのうまみが物足りない。銀座の名店ステーキ△△なみとは言わずとも、普段使いする焼肉の◯◯と比較してもどうしても見劣りする。セットのポテトも昨年北海道で食べた農場の芋と比較してーー

(広島県・ロック藤本)

 

根本的に全国展開チェーン店の定番メニューレビューに需要があるのかと思うが、その内容のピントはずれ具合もすさまじく、なぜか価格や客層が全く異なる他店と比較してこき下ろしたりする。自分語りと似ている部分も多いが、こちらは弱い(と本人が思い込んでいる)相手を発見しては批判し、自分は強い、正義だと悦に入る分たちが悪い。

高級店と比較して劣りますと言われたところで、多くの人はそりゃそうだろと思うだけであり、総じて情報的な価値も低い。書いてる本人は楽しいんだろうなとは思える。

 

じぶんにっきモンスター 

ーーミクちゃんママ・よってぃ・フランちゃんとランチ♪ 

さてさてお昼はいつものメンバーにフランちゃんを加えて新規開拓です、待ち時間の合間にセールで獲得した戦利品のお披露目、狙っていたワンピースとハンドバッグはみんなに可愛いと褒めてもらってアタシも上機嫌、さらにホールスタッフにアイドルの◯◯クンに似たイケメンがいて、こっち来ないかなーと思っていたら気づいて注文を取りに来てくれました、想いが通じたのかな(●^^●)ーー

(埼玉県・たっくんママ)

  

まず出鼻から知らない登場人物だらけで面食らう。たっくんママの交友関係やライフスタイルは知ってて当然という前提で日記が垂れ流されていくので情報処理が追いつかず、さらに脈絡なくファッションや芸能の話、知人の悪口めいたことまで書かれ自分が何を読まされているのか混乱させられる。

肝心のレビュー部分はわりと当たり障りのないことが書かれることが多いが、店員がイケメンだから、当日のショッピングに満足したから、めざまし占いが1位だったからなどの滅茶苦茶な理由で評価が上下する謎基準が混入する例もある。

 

 

 幼児退行モンスター  

ーー今日は時間があったので知らないお店に挑戦(^0^)ワクワク

 

前から気になってたお店だけど11時時点で並びができてました(-_-;)アセアセ

 

席に着いた頃には限定セットは完売 ←ギャー(苦笑)

 

ムムム、これは店長氏に生産体制の改善を依頼せねばなりませんな( ̄ー ̄)ニヤリ

 

ここでいつもの★シマちゃんチェック★が発動!! ピコポコピーン!!

 

(*'▽')店員動きはまずまずといったところデスネ!!ーー

 

(千葉県・味析皇シマ)

 

 

とにかく読んでるだけで頭が悪くなりそうな文字列が展開され、読み手に苦痛を与える。これがけっこういい歳したおじさんが書いているラーメン屋のレビューとかに多いからもはや恐怖である。

一時「おじさんリプ」と呼ばれるものがSNS上でオモチャにされていたが、実際にこのような表現を良しとする層が一定数存在するのは何故なんだろう、ポケベルや最初期の絵文字文化人の中では時が止まっているのかもしれない。

このタイプは何故か同じタイプと横のつながりを持ち、変なオリジナルルールを作ったりするので面倒だが、レビュー数が多いので趣味があうなら一つの基準としては有用かもしれない。

 

聖域裁判モンスター 

ーーこの味を例えるならば、小生の青春アイドル、森野イチゴちゃんのセカンドシングル『ラズベリーキッス』のような甘酸っぱい爽やかさですネ。

ではここで歌詞解説をしていきますヨ。

♪春の 山奥で バスケットいっぱいの木の実が

↑イントロ部分でイチゴちゃんの若さ弾ける可愛さが独特の振り付けに現れますね~

…… 

 ※最近小生のレビューを口汚く罵り、荒らす輩が増えて困っています、私の愛するアイドルシリーズは強い信念を持って書き上げており、やつらが汚して良いものではありません。サイト運営には通報済ですが改善されなければ法的手段も考えていますーー

(兵庫県・イチゴ亭LOVE造)

 

アンチコメントとの終わりなき闘争が始まる。これまでの例と違うのは完全に自分の趣味コーナーが本来のレビューと入れ替わり私物化、そこを指摘されると突如被害者となって訴えると鼻息を荒げる自分しか見えていないタイプ。趣味語りは個人ブログでやれば良いのではと思えるが、なぜかそうした客観的な指摘すらもアンチの攻撃ととらえてしまうので手が付けられない。

 レビューとしてはかろうじて店を利用したことが分かる程度であり、そもそもレビュー目的の記載ではないためあまり役に立たないのが残念。

 

 

対話不能モンスター 

ーー風を感じるマジで空飛んでるみたいなアレなのよ

フワァーーーって声出るよホントやばいマジでやばい

ピースとかそれ系のアレすげえからマジやば感謝ーー

(秋田県・ヒロキ)

 

ーー明鏡止水恐悦至極我歓喜

極也味覚極楽境地悟境地甘辛心

絶妙尊大我成秘味加減店主ーー

(兵庫県・刳搾坊西方)

  

ーー大事!!ふぁんらまいいんがで切切!!

#もんふんぐ#ららいま#味良し# でめたんうまきりしま!!

@ららいまういん、弦月だm%&どいれんこの許し!! めてんだ!!!! ーー

(大分県・卍あいす卍)

 

 突き抜けすぎて第三者に伝えるというレビューの基本的な部分から崩壊させてくるダーティチャレンジャーである。完全に独自の世界に入ってしまったこれらの方々はもはやレビューがどうとかそういう問題ですらなく、ただひたすら不安な感情を与えてくるのが恐ろしい。

日本で承認されていないタイプのお薬を服用されているのか、宇宙からの電波を受信できてしまう人なのか詳細は定かではなく、なぜこのサイトに投稿したのかという疑問も尽きないが、実際に彼等のレビューと遭遇した場合、多くの人はそっとブラウザバックするよりほかに無い。

とにかく対処不能ではあるが、もしかすると水木しげる先生なら現代妖怪の仕業としてキャラクター化してくれたかもしれない。

 

 

 でもありのままの姿をみせられちゃ困るよね 

ここまで書いてきたが、私は彼らにやめろと言いたいわけではない、冒頭でも述べたが自由に書き込めることこそがこうしたサイトの魅力であるからだ。サイト側がレビューの質を追求することで、選別をはじめると本来の姿を失うことも意味する。

 

ただ一つだけお伝えしたい事がある。

他人の意見にとらわれず己のスタイルを貫くことが美徳とされがちな昨今だが、他者の意見に耳を傾けることは決して悪い事ではない。ましてや他者の意見を聞きたい人々が集まるサイトにおいて、他人の意見を軽視するのはもはや笑い話ではないだろうか。

あなたが誰かに何かを伝えようとする時、その文章や手段が適切かどうか、素直に自分の書き上げたもの見直せる人であってほしい。

 

様々な姿を見せるレビューサイトのモンスター達は、今日も迷い込んだ我々を困惑させる、そして私はこのAAを思い出すのだ。

 

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レビューサイトモンスターズ   終 

 

 

義務教育に取り入れるべき教材『アトランチスの謎』

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アトランチスの謎』というゲームをご存じだろうか、1986年にサンソフト(サン電子)から発売されたファミリーコンピュータ用ゲームである。

 

いわゆるスーパーマリオタイプのジャンプアクションゲームだが、操作のクセが強いうえに度を越した理不尽仕様があるためクソゲーと分類する人も多い。しかし自由度の高い攻略ルートや印象的なBGM等、私は見るべきところも多いゲームだと思っている。

 

今回はこのゲームの攻略記事を書いていくこととするが、web上には既に有用な攻略サイトやノーミスクリア動画があるので、ただでさえ閲覧数が少ない当ブログ記事の中でも存在意義が無いに等しい記事になることが予想される。ではなぜこんな無意味な記事を書くのかというと、Twitterでなんとなく募集したらアトランチスの謎攻略記事が一番投票が多かったからであり、義理堅い私は使命を果たすために冒険記録を記すこととしたからである。おまえらおぼえてろよ。

 

ちなみに攻略部分に興味が無い人は後半の「アトランチス、シロ!」の画像あたりまでワープしていただいて結構です。

 

■攻略にあたって 

  • ゾーン100での師匠救出を目的とする
  • 安定を図るため無敵アイテム取得(非最速)ルートを選択
  • ゲーム画面の掲載はしない(冒頭のウィン君は手書き)
  • 基礎的な操作法は解説しない
  • スコアを狙わないので宝箱も解説しない
  • クリアに不要なワープゾーンの紹介もほぼ無し
  • 本当に攻略したかったら他のサイトを参照して欲しい

 

■素晴らしいタイトル音楽を堪能してからスタートボタンを押そう

 

MYSTERY ADVENTURE START‥

 

→ZONE1

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気球から飛び降りてくるウィン君を右に動かそう。

ウィン君とは歩行アニメーションが2コマしかないひとしくん人形ファッションの操作キャラクターのことだ。ただゲーム内でウィンと呼ばれることは無いので別に覚えなくてもいい。

すぐにコウモリが糞をまき散らしながら飛んでくるので適当にかわしてほしい。なぜ糞に接触しただけで石化死するのかが度々ネタにされるが、ゲームのメインターゲット層である小中学生にとってうんこに触る=死はあながち間違いではない、本来うんこをすべき場所であるトイレ個室でうんこをするといじめが始まりかねないというスクールカーストの厳しさは触れてはならぬ禁忌である。

 

うんこを避けて進行すると空いている扉にそのまま突入してステージクリア。

 

→ZONE2

開始早々素晴らしいBGMに気をとられそうになるが、団子が集積した迷路みたいな道を右に進んでいこう。道中のヤドカリみたいな敵はBボタンで投げるボンを使用してひるませれば通過可能なので活用してほしい。

 

上段通路に開いた扉に入りステージクリア。

 

→ZONE3

右に進みスタート地点から数えて7個目の穴に身投げすればワープ。

なお道中無意味にジャンプしているとトビウオ軌道を描く赤い魚に喰われて石化死する、このゲームはジャンプ制御が難しいくせに、その軽やかな動きから無意味にジャンプしたくなる魔性も併せ持っているので注意。

 

→ZONE6

左に進んで竪穴式住居みたいな扉に飛び込めば数秒でクリアできる。

空中にブーツアイテムが浮いているので忘れずに回収すること。

 

→ZONE8

時間がシビアなのでどんどん進むようにしたいが中盤のジャンプ制御を誤ると転落死するため注意が必要。ジャンプで1キャラ分進みたい時は垂直ジャンプからの微調整、高度を稼ぎたい時は0.5キャラ分歩行してからジャンプが必要、さらにジャンプ距離調整のため天井に頭をぶつけて進むテクニックも活用しよう。

現実世界で考えても洞窟探検中に跳び上がって天井に頭ぶつけるなど命にかかわる危険行為でありウィン君は冒険家失格であるとも思える。

見えてくる扉に入りステージクリア。

 

→ZONE10

足場が不安なステージだが順調に進めていればブーツアイテムがあるはずなので雲に乗れる、鳩サブレみたいな形をした雲を足場に右に進み☆(無敵アイテム)を回収しよう。

なお無敵と言っても敵の攻撃を防げるだけであり普通に転落死するので注意、無敵アイテムをとったその場でジャンプ制御に悩まされ涙した小学生は多い事だろう。さらにゴールに見えている扉があるが、その1キャラ分右にボンを放ち爆発させると隠し扉が出現するので連投して開けて突入すること。

ただ、この二つ並んだ扉というのがくせ者であり、目測をあやまれば手前の扉に入ってしまい、かといって強めに跳べばそのまま谷底に落下するという鬼畜構成である。一応左端ブロックの切れ目を目安に小ジャンプすると入れると思うが簡単ではない。

無敵アイテムを入手したゴール目前で希望がついえる、このステージ構成を考えたサンソフトの人は心の闇が深いに違いない。

 

→ZONE4

このゲームを知らない人はZONE4って戻ってるのではと心配されているかも知れないが、頻繁にステージ間を往来するゲームなのでそういうものと考えていただきたい。ちなみに全100ステージ中3ステージは通常プレイでは絶対に到達できないが、これはそういうものというより単に製作者がつなぎ忘れた説が有力である。

ステージ開始位置が画面上方なので少々戸惑うかもしれないが思い切って右にジャンプして進めばOK、床から針が飛び出ているがこれは単なる背景らしいので触りまくって全く問題ない、ただしうんこは触ると即死、でも無敵アイテム所持しているのでうんこも触り放題。

ジャンプの助走を特に意識して進めると、崖に開いた扉があるので垂直ジャンプ調整で入る。

 

→ZONE25

ZONE6のように狭いステージなので数秒でクリア可能。

左に見えている扉では無く、開始時に出てきた扉から1キャラ分右の隠し扉を出して入ること。

時計アイテムがあるが取っても取らなくてもいい、むしろうっかりジャンプして左のZONE33への扉に入ってしまう危険があるので無視した方が良いまである。エサにつられて死にゆくプレイヤーを眺めるサンソフトの人の精神状態がまことに心配である。

 

→ZONE41

開始地点1キャラ分右の隠し扉に入るだけ、狭いので自爆しないように。

 

→ ZONE94

常時チカチカと明滅する背景がプレイヤーにダイレクトアタックを仕掛けてくるステージに製作者の悪意を感じずにはいられない、サンソフトの人の精神状態が以下略。

三つある足場の一番右端に隠し扉があるので垂直ジャンプ調整を駆使してワープすること。道中の敵キャラも激しく攻撃してくるが無敵状態のはずなので無視していい、半魚人みたいな敵キャラが何もせずに谷底に転落していく様をみて、何のために生まれ、死にゆく生命なのかと世の無常を感じるのも良いだろう。

(ポケモンショック事件以降の移植版では明滅表現はカットされているらしい)

 

→ZONE97

縦長の建物内から左右ジャンプ(要助走)を繰り返して上方画面外から左にジャンプし、雲を足場に進むと扉がある。

ちなみに左に進めることは事前知識がなければ死を覚悟して試すしか発見法が無い、当時のファミコンソフトには不親切な仕様も少なくないとはいえ、このゲームはこんな仕様がゲームの大部分である、闇。

 

→FINAL ZONE 

いよいよ最終ステージだがここは無敵アイテムさえあれば楽勝、最終ボスであるザヴィーラが吐き出す火球を後頭部にゴリゴリ浴びながら黙々と進むウィン君の姿はなかなかシュールだ。

ひときわ顔色の悪いザヴィーラの下に安置してある謎の青いオブジェ(ダイヤだっけ?)を取れば師匠がニッコリ笑ってコングラッチュレーション。

このゲームは特にエンディングとかが始まったりするわけではないので、ここでゲームクリアとする。アトランチスの謎は最後まで謎のまま明確に終わることすらない、なぜこんな仕様にしてしまったんだサンソフトの人よ。

 

 

 

現代っ子にアトランチスを 

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このゲームをどんな人に勧めたいですかとたずねられれば、私は迷わず小中学生だと答える。かつてファミコン少年だった大人がノスタルジックな気持ちに浸るために遊んだり、一部の変態達が0.1秒のクリアタイムを争う競技とすることももちろん良いが、アトランチスの謎現代社会において大切なことを教えてくれるゲームだということを私は主張したい。 

 

近年の子供たちは世の理不尽を学ぶ機会が少ないように思う。それは子供が悪いわけではなく、共働きの両親と少子化等、家族のあり方そのものが変わってしまった影響であるものの、特に嫌なものや挫折は経験せずとも良いという風潮を感じる。ゲームひとつとっても気に入らない部分があれば即座に辞めて別のゲームをインストールできる世の中だ。

 

いまどきの若者はというお決まりのセリフを吐きたいわけではない、しかし理不尽な事や思い通りに進まない事は人生で数多くあるだろう、そんな時にこのゲームを思い出してほしいのだ。ノーヒントで謎の島に放り出され自身の動きもままならず、苛烈な攻撃を受けながら隠された扉を総当たりで探す、こんな不親切なことがあるかと怒り出したくもなるだろう。事実私も幼少の頃このゲームと『おばけのQ太郎 ワンワンパニック』の鬼畜難易度に憤慨しカセットを壁に叩きつけた後、母親に烈火のごとく怒られて最終回の矢吹丈みたいになった

 

しかし後年何もない場所を攻撃したり、死を覚悟して谷底にダイブしたりすることで攻略の糸口を見つけ、何故かこのゲームに異様に詳しい中村君の知恵を借りてクリアすることができたのだ。理不尽と思える部分にも試行錯誤を繰り返し、情報を集め、失敗しながら根気よく継続する、これは現代の社会生活においても大切な事ではないだろうか。クリアした時の達成感たるや素晴らしいもので、既にプレイステーションとかが発売されていた時代だったのでクラスでは完全に変人扱いされたものだった、なんなら中村君も一緒になってバカにしてきた、この野郎中村この野郎。

 

 

 

■現実世界のチュートリアルとしてのゲーム

もう「ゲームは教育に悪い」という世界は過去のものになった。私たちはゲームを通じて達成感や許容の精神、友情を育むことだってやってきたのだ、最新のゲームももちろんいい、ストレスを感じない遊びだって大切だ。

 

ただ一つ忘れないでほしい、居心地のいい場所でぬるま湯につかり続けるといつしかそれが当たり前になってしまう、無料で漫画やゲームを楽しんでいる子供達は楽しみに対して対価を払うことに猛烈に抵抗を示している。作り手自身が「続きを楽しみたいなら買って下さい」と言うと「金儲けが目的なんて最低」と見当違いの非難する人達がもう相当数存在しているのだ。

 

そうならないためにも、子供達にはアトランチスの謎をプレイさせて欲しい。そこには耐えねばならない理不尽や我慢を強いられる展開だらけだが、取り組むうちに精神面で一皮むけ、ひとつうえの男になることは想像に難くない、決してクリア不可能ではない程度の壁が用意されているのだ。

 

世のお父さんお母さん、お子さんに是非アトランチスの謎ををプレイさせて下さい、サンソフトの人になった気分で最終回の矢吹丈と化したお子さんを見守りましょう。

 

 

 

義務教育に取り入れるべき教材『アトランチスの謎』   終

上司の顔に牛タンを貼り付ける方法

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上司の顔に牛タンを貼り付けた経験はあるだろうか。

 

……わかっている、そんな経験なんてないしする必要も無い、また岡井がバカなことを言い出したと思っていることだろう。

 

だが想像してほしい、何が起こるかわからない昨今、みなさんの人生は全て計画通りに進んでいるだろうか。そう、突然上司の顔に牛タンを貼り付ける必要に迫られる可能性はゼロではない。自分は絶対そんなことはしないと考えているかもしれないが、将来的に誘拐犯から「上司の顔に牛タンを貼り付けなければ愛する娘の命は無い」と要求されることまで想像するべきだ。

 

そしていざそのような場面になった時、簡単に貼り付けることができるだろうか。答えはノーだ、牛タンを片手ににじり寄る部下は色んな意味で恐ろしい存在、間違いなく避けられる、よしんば避けられずとも顔に近づいたあたりでパクリといかれてしまい食いしん坊万歳だ。ましてや「娘の命がかかっているから牛タンをー」と訴えてみたところで、病院を紹介されてしまうのがオチだろう。

 

そこで私の経験をお伝えしておきたい。備えあれば憂いなし、上司の顔に牛タンを貼り付けるプロセスの参考として、そして貼り付けた結果どうなるのかを。

 

 

■衝動は抑えたままターゲットとの間隔探れ

ホリエ部長は気さくな人柄だったが、冗談か本気かの区別がつきづらいのが難点だった。

 

「出張にいくから300円以内でおやつを買ってきてくれ」と言われ、部長ったら遠足じゃないんですからデュフフと笑っていたら「いや笑ってないで、早く買いに行け」と取り立て時のウシジマくんさながらの目つきで凄まれたりもした、二つの意味で冗談じゃない。

 

さらにタチが悪いのは自らのハゲネタを部下にふるという、どうしようもなくえげつない行為をいとも簡単におこなってきた。

「オレは明るい性格だからな、頭も光ってるし、なぁ岡井?」

これは「そんなことないですよ」と言うと自ら認めている部長に反し、さらにネタを殺すことにもなってしまう。かと言って「そうですね見事にハゲ散らかしていらっしゃる」とでも言おうものなら後が怖い、他人から言われるのは違うとか言い出しかねない。

 

ホリエ部長の部下となった結果、上司の前では何も言わずただニヤニヤするという不気味な処世術が身についてしまった。

 

そんなホリエ部長と宮城支店に出張することがあった。仕事は滞りなく完了し、みんなで夕食でもという流れになり、せっかくだからと牛タンの店に入った。

 

そしてここが凄惨な事件現場になるとは、この時の私は考えてもいなかった。

 

 

■焼き鳥をバラバラにする能力を人は女子力と呼んだ

大ぶりな牛タンの切り身が皿に並んでいる、焼肉店でみるようなスライスされたそれとは全く別物であり実にうまそうだ。

 

ううむやはり本格派の牛タン、この肉塊にかぶりつくのが醍醐味ですななどと考えていると、ホリエ部長からナイフで小さく切り分けてくれとまさかの一言。どうやら『女性陣にも食べやすく気遣いできる紳士な俺』という間違ったダンディズムを出したいらしい、おい正気か。

 

私は他人の食べ方に細かく口を出すタイプではない、しかし店から厚切りの肉として提供されたものはそのままが一番おいしくいただける方法ではないだろうか。焼き鳥を串から外して食べる人に食って掛かりはしないが、自分としては提供された料理はなるべく本来のかたちで食べたい。マナーとしての部分は別として、食事は一番おいしく食べられる方法を選択すべきなのだ。

 

「肉を細かくだって? じゃあ部長から先にミンチにしてやろうか?」

 

などと言えるはずもなく、黙々と牛タンを切り刻む私は哀しいサラリーマン、反抗するどころか「私が切り分けるであります!!」とケロロ軍曹みたいな口調になっていた。

 

しかし湾曲した皿の上で厚切牛タンは切りづらい、ちょっと気を抜くと皿の逆サイドから肉がこぼれ落ちそうになる、楽しいはずの食事の席が何かの試験みたいになっていた。慎重にカットしているとなかなか上手いねと褒められたので、畜生このハゲと思いながらも「恐縮であります!!」と元気イッパイに応える。

 

事件はその瞬間に起きた。

 

 

■春の木漏れ日の中で

硬い部位に懸命にナイフを入れていたが、そのはずみで皿の中身をぶちまけてしまった。そして高級牛タンは皿のふちを発射台として宙を舞い、ホリエ部長の顔面に不時着していた。大変な事件である、「アテンションプリーズであります!!」と言ってなごませるような雰囲気でもない。

 

私は詫びた、どんなに嫌いな上司でも顔に牛タンを貼り付けて良いわけはない、ましてや食べ物を粗末にする結果とあってはお店や牛にも申し訳がたたない。思いつく限りの謝罪の言葉を口にしながらテーブルの上を片付ける、皿の牛タンはお亡くなりになられたが、皮肉なことに私の舌はよく動いた。

 

ホリエ部長は怒らなかった、いや正確に言えば怒ってはいたのだろうが、大丈夫だとスーツに飛び散った油をハンカチで拭いながら、楽しい食事の時間を取り戻そうとしていた。

なんと人間のできた人であろう、部下の不始末を広い心で包んでくれた、さっきこのハゲとか思ってごめんなさい。そして同僚のスギモトさんは生き残った牛タンを口に運んでいた、「んふオイシイ」じゃねえよ空気読め。

 

起きてしまったことは仕方がない、気をとりなおしてホリエ部長にも食事を楽しんでもらおう。そう考えていたらスギモトさんが突然笑い出した、今度は何だ、これ以上場をかき乱さないでくれ、そう思いながら彼女が指さす方向に目をやった。

 

部長の顔に牛タンが張り付いたままだった。

 

左頬と頭頂部に切り身が載っている、サッカーサポーターのフェイスペイントのように頬に鎮座する牛タン、頭頂部の牛タンはちょんまげそのものだった、手にした箸にはしっかりと牛タンがはさまっており、我々の前には熱狂的牛タンファンのお殿様が爆誕していた。

 

ダメだ、笑ってはいけない、私が原因の不祥事、粛々と片付けなくては。必死に部長の顔をみないように、テーブルの漬物とかを凝視しながら処理を試みる、肩が震えていたがさとられてはいけない、なんとかここを乗り切るんだ。

 

「お館様、ギュウタンが殿中ですかぁ?」

 

スギモトさんが言った。

 

私の我慢は限界を超えた。

 

 

■ワライモン

この事件の後、私は別の支店への異動が命じられることになる。私の仕事ぶりを評価されての異動、もちろん牛タン貼り付け事件は無関係だ。スギモトさんと一緒になってゲラゲラ笑ってしまったけれど無関係だ。ホリエ部長がウシジマくんの目つきになっていた気がしたのも多分無関係だ。

 

繰り返すが上司の顔に牛タンを貼り付けることを推奨はしない。食べ物で遊ぶような行為はいけないことであり、上司に対しても失礼極まりない愚行だ。

私は今でもホリエ部長を尊敬しているし、あの日の出来事を後悔もしている。その証拠にあの日以来、上司の顔に牛タンを貼り付けたことは一度も無い。意外に思われるかもしれないが、強い克己心で自身を諫め続けている、ダメ、絶対。

 

みなさんにもその経緯だけは紹介したが、実際に行動に移すのは娘を人質にとられたときだけと岡井に誓って欲しい。そして部下に牛タンを貼り付けられることがあっても広い心で許してあげて欲しい。

 

スギモトさんは許さなくてもいいです。

 

 

 

上司の顔に牛タンを貼り付ける方法   終

ネット上で異様に攻撃的な人をみると思い出すじゅむへんく

ネット上で批判的なコメントが集中する様が「炎上」と称されるようになってどれほどたっただろう。

 

発信することが容易になった世の中、SNSに何気なくアップしたコメントや写真も油断するとあっという間に火だるまになってしまう。

 

私が子供の頃は、ノストラダムスの予言からキバヤシが人類の滅亡を予想し、滅亡せずとも核の炎に包まれてモヒカンがヒャッハーする世紀末になるのではと不安になったものだ。

幸いなことに現実世界は滅亡もヒャッハーも無かった。しかしめざましい発展を遂げたネット上の一部は、現在進行形で炎に包まれている世紀末状態と言っても過言ではない。

 

 

 ■一番弱ってる奴はだれだーーー?

モヒカンよろしくネット上で異様に攻撃的な人は確かに存在していて、別に自分に何の損失も無い出来事でも全力で当事者を殴りに行くし、無関係でありながら正義の旗をふって謝罪しろと大合唱する。

 

私はこうしたネット社会の話題になると思い出すキャラクターがいる、前述したキバヤシでもモヒカンでもない、その名をじゅむへんくと言った。

 

じゅむへんくは『新桃太郎伝説』というスーパーファミコンのゲームに出てくるふんどし一丁の鬼で、身の丈ほどもありそうな大剣をふりかぶっている敵だ。

 

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その姿は現代ならば「無課金ユーザーがリセマラして武器だけSSR」みたいに称されるかもしれないが、なんか攻撃力は高そうだなと予想できるものだった。

そしてコイツの恐ろしいところは、一番弱っている仲間に集中してクリティカルを浴びせてくる特性であり、回避するためには速攻で倒してしまうか逃げるしかない。しかしこのゲームは非常にシビアな難易度になっており、もともと体力の低い仲間の浦島などはコイツのせいで何度も大怪我をした。

 

じゅむへんくは架空のキャラクターだが、その行動パターンを考えるとどうもネット上に実在しているのではと思うことがある。

 

悪事をはたらいたり、倫理的に問題のある発言をした者が非難されるのは仕方が無い。ましてや直接的に被害や迷惑を被っている立場ならば、厳しい糾弾や実力行使に出ることもあるかもしれない。

 

しかし中にはまったく無関係であるにもかかわらず、謝罪や賠償を求めたり、論破したい、袋叩きにしたいという要求を満たすために、しつこく粘着するじゅむへんくと思われる存在がしばしば出現するのだ。

 

 

■浦島にせまる現代版じゅむへんく

昨日は必要以上に魚を釣りすぎて村の人に怒られてしまった……

反省して今日はおとなしくしていよう……

  

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くふっふっふっふっふっ!
いちばん 弱っている奴は
誰だあーーーーー?

浦島! おまえか!

 

えっ!? わたしはたしかに悪いことをしましたが、あなたは誰ですか?

 

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俺は特に関係ない通りすがり

だが村の奴らの意見を聞いた言わば正義の使者

オマエはひどい奴だ 成敗する!!

 

えっ!? 通りすがりが何故? あなたにはどんな迷惑が?

 

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うるさぁい!!

みんなが悪い奴だと言っているオマエを叩く俺が正義なんだ!!

俺に謝罪して 俺をいい気持ちにさせろぉ!!

 

当事者間で話はまとまりましたし、なぜあなたに向けて謝罪を!?

 

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おっ 開き直りか?

皆さーん 彼は「謝罪の必要は無い」って言いましたよ

これは大問題発言ですねぇ 反省してませんねぇ

 

いや、そうは言ってないですけど

 

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謝罪しろ!! 謝罪しろ!!

俺たちが気持ちよく殴れるサンドバックになれ!!

そもそも魚を釣るなんて可愛そう、魚の気持ちを考えたことがありますか?

 

……

 

 

■愛と勇気のもとに

炎上と言っても様々なケースがあって、一概に誰が悪いとは言えない。炎上するほど注目されることが人気の証と考えることもできるし、炎上商法や炎上芸なんて言葉も定着しているくらいだ。

 

ここで前述した『新桃太郎伝説』より天の仙人の言葉を紹介したい。

 

ウヒャヒャヒャ…桃太郎よ! 何をそんなにあせっておる!

鬼をたおすのではなく 愛と勇気を伝えるのじゃ! あせることはない!

もう一度じゅむへんくをこらしめてみせい!

桃太郎 おまえなら出来るはずじゃ…ウヒャヒャヒャ…!

 

たおすのではなく、愛と勇気を伝える。なんといい言葉であろうか、頭部がアンパンになるような気すらしてくる。

私も過剰に攻撃的にならず、愛と勇気をもって人と接するように心がけたい。

 

ゲーム中の桃太郎は幾度と無く真剣を鬼の脳天に叩き込んだりするけれど、殺意は無くこらしめているだけだし、他人の農作物を盗み食いしたり、女湯をのぞいたりするけれど、これも愛と勇気を伝える活動の一種だろう、多分きっとそうだ。

 

もし、あなたがネット上のじゅむへんくを見つけたら、どうか愛と勇気をもって接してほしい。

私も愛と勇気をもって行動するから。

そして私が女湯をのぞいていたとしてもそれは愛と勇気、決して通報とかはしないでほしい。

 

 

 

ネット上で異様に攻撃的な人をみると思い出すじゅむへんく   終

他人が握ったおにぎりに対するちょっとした躊躇みたいな感情

タルトの上に色鮮やかな果物を立体的に乗せる

生クリームは欲張らず、上品にあしらいたい

アイスクリームの位置取りには注意しろ、流れるとレイアウトが台無しだ

ラズベリーソースは皿を彩る絵具、センスが問われる

 

素人にしてはよくできたなどと自己満足に浸りつつコーヒーを淹れる。

 

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■コイケ君の底知れぬ欲望

私の趣味の一つにデザートプレートを作るというものがある。

お菓子作りと言わないのは、焼き菓子系を作ることに自体はそれほどでもなく、盛り付けや細工部分が好きなのだと自覚しているので区別している。画像にあるリンゴの飾り切りをしている時なんか、バカじゃねえのってくらいテンションが上がっていた。

そして一人暮らしなのにフルーツタルトを1ホール分作ってしまって、どう処理していいのか途方に暮れるまでが1セットである。

 

そしてこの趣味の話は仲間内ではしない、私の友人はだいたいオッサンなのでスイーツ云々の話には興味が無い奴らばかりだ。昔ちょっと語ってみたこともあるが、「おおアレだな、インスタ、インスタバエってヤツだな、ガハハ」と焼酎をあおりながら言われる始末だ、多分彼らはインスタのこともあまり理解していない。

 

「まぁ岡井が作ってもな、これがカワイイ女の子だったらみんな食いつくさ」

 

フォローのつもりか隣に座っていたカズヒロが言う、オッサンが作るスイーツよりも女の子が作った方がうれしいし、おいしそうに思えるということだろう。

私はまずこの認識が間違っていることを伝えたい、お前らはそもそもカワイイ女の子が好きなだけだスケベ野郎どもめ、広瀬すずが作ったなら明らかにマズい料理でも「個性的な味付けでオイシイですぅ」くらい言う、たとえ生ゴミが皿に盛られても全部食べるのが男気だと勘違いしている歩く下心どもだ、料理の内容など関係ない。SMクラブで女王様から「もう勘弁して」と指名を拒否されたコイケ君なんてうんことか出されてもペロリといきそうだ……いやそれはちょっと主旨が変わってるか。

 

 

 

■おばあちゃん謎の汁を出す

しかし料理において「誰が」というのは重要な要素だとは思う、それは手作りという要素が大きくかかわってくるからだ。なにしろ直接口に入るもの、誰が何を入れたかがわからない状況など不安でたまらない。

芸能人がファンから手作りお菓子を差し入れされる話などはその典型、もちろん大部分は問題ないものとは思うが、得体の知れない何かが混入されていないという保証も無い、そのため食べ物系はルールとして一切受け取らない人もいるくらいだ。

そろそろ男性アイドルがバレンタインデーに送られたチョコレートの成分解析する番組とかがはじまってもおかしくない、色んな意味でドキドキしそう。

 

私が知人のおばあちゃん宅を訪ねた時の話だ。談笑をしていると飲み物を出してくれた、ああすいません気をつかわせてしまってなどと話していると、目の前に置かれたのはなんだかよくわからない灰色がかった緑の液体。

なんだこれは、飲み物なのか、申し訳ないが見た目は完全にヘドロだ、飲んではいけないと脳内で警報が鳴りっぱなしだ。コップを見つめたまま固まっている私に、健康にいいジュースだからとすすめてくるおばあちゃんがいい人なのは知っている、しかしこの液体を喉に通すのは相当な勇気がいる、少々気まずいが何が入っているか聞いてみよう。

 

「牛乳と…緑の野菜と…あと、色々だよぅ」

 

「緑の野菜」の時点でかなりぼかされた、実質入った情報が牛乳となんかの野菜ってことだけだ。そうしているとジュースは嫌いだったかいと寂しそうな顔をするおばあちゃん、ええい仕方ないと腹をくくり飲み干す。……妙に粘度が高い、なんだこれ、よくわからないけど多分昆布が入ってる、怖い、マズいとかより先に怖いという感情が出てくる、飲むと恐怖心が湧くドリンクとか画期的すぎる。

 

そう、未知とは恐怖であり、人間が持つ防衛本能として拒絶しようとするのは当然のことある。

 

 

 

■ちなみにコイケ君はけっこうモテる

私は隣でエイヒレをかじっていたカズヒロに伝える。

あまり知らない人が作った料理、特に直接触れたものに抵抗感があるというのもうなずける話。知らないおじさんから受け取ったおにぎりにちぢれ毛とかが混入していたら、おにぎりそのものがトラウマになりかねない。問題の本質は衛生面では無く人と人との信頼の問題なのだ。

未知の存在に対する防衛本能があるということは、逆に言えばそれが信頼できる存在であれば躊躇なく手が出せるということ。

熱弁しているとコイケ君が女の子のちぢれ毛は金払ってでも吸引したいとか言ってきた、ちょっと黙ってろ。

 

人間同士で大切なのは信頼。「キミのつくった味噌汁が毎日飲みたい」というプロポーズは生活感が出過ぎて嫌という女性もいるらしいが、それは最も信用できる存在になって欲しいという意味を考えてみればこれほどロマンチックな言葉は無い。

私の作るスイーツへの反応が薄いのは、私がまだ信頼されていないということになる。しかしそれは今後岡井の作る料理はとんでもなくうまいと認識、そして信頼となればまた反応が変わってくるに違いない。

 

これから折をみて私の料理をふるまおう、みんなを満足させる料理を目指して、それが信頼になることを目指して。

 

少し照れながらカズヒロに伝えると、彼は微笑んでこう言った。

 

「いや、オマエが広瀬すずにでもならない限り、みんなは満足しないよ」

 

 

 

私はその日以来彼らの前で料理の話をするのをやめた。

 

 

 

他人が握ったおにぎりに対するちょっとした躊躇みたいな感情   終