おかいさんといっしょ

おかいさんが極めて個人的なことを吐き出すからいっしょういっしょにいてくれやみたいなブログ

レビューサイトモンスターズ

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食べログ価格.com@コスメ、世にはいわゆるレビューサイトが多くある。これらのサイトはその商品やサービスに対し消費者目線で感想を書きこみ、それを後続の消費者が参考にできるという部分が魅力の一つとなっており、私も参考にさせていただくことが多い。情報収集手段として優秀なことは現在の利用者数から見ても明らかだろう。

 

いわゆるサクラが紛れ込むことや不明瞭な評価基準、サイト側の情報操作によって公平な視点が損なわれるという点などが問題視されることもあるが、そうしたサイトの多くは問題の改善に取り組んでおり、利用する側もどういった視点で見るべきかを意識するにつれて、レビューサイトの存在は一過性のブームではなく既に一つの情報元として定着している。

 

こうしたサイトは基本的に情報量が多い方が価値があるため、書きこみの敷居はかなり低く設定されており、明らかに虚偽の情報や反社会的な内容でない限りは基本的に掲載される。だからこそ気軽に利用できるわけであって、多くの人の共感を呼ぶ書きこみをする人などは人気レビュアーとして芸能人的な人気を集めたりするくらいだ。

 

しかしそれとは逆に、少々共感を集めづらい独特な方々もいらっしゃるのが世の常。ここでいう独特とは趣味嗜好の偏りではなく、根本的にレビューとしてどうかというクセが強い方々のことである。

 

何者にも縛られない本当のアタシという強烈なモンスターは、今日もレビューサイトにありのままのスタイルをみせる。

 

少々前置きが長くなったが、ここからは文例を出しながらそうした彼等のレビュースタイルを紹介していきたい、なお今回は飲食店レビューのケースを取り上げる、簡単に言えば食べログモンスター図鑑だ。

 ※例文はあくまで創作ですが、筆者が実際に読んだものを参考としています。

 

隙あらば自分語りモンスター

ーー私は生来敏感な舌を持っており、特に食べ物の鮮度に関しては数時間単位で感じ取れるほどです。知人を介して飲食店の試食を依頼されることも多いのですが、最近は店主の意識の低さには悲しみを感じることも少なくありません。数十年前にフランス旅行に行った際に食事をした◯◯ホテルのシェフなどは私に握手を求めーー

(東京都・シュペルエッフェル)

 

  

上から目線はレビューサイトの基本と言ってもよく、珍しいことではない。批評家気取りとも言われることもあるが、そもそも何かを採点する側となると意図せずしてそうした文体になることは多いものだ。ただ問題なのはその評論家様がご自身の高貴な背景を語らいあそばれることに夢中になるあまり、読み手にとって関心の無い自慢話が延々と続くことにある。

レビュー内での彼らの多くは、あふれる資金力と絶対的な味覚を持ち、さらに人望も厚く高級店や美食家の間でも一目置かれるというなろう小説の主人公も真っ青のやりたい放題な存在。肝心のレビューは要約すると全文中の1/5程度ということもざら。

とはいえこのタイプは文中の雑音が煩わしい程度であり、レビューとして破綻しているほどではなく、必要部分だけを抜き出せればそこそこちゃんと書いていることも多い。

 

 

お山の大将モンスター 

ーー国道沿いに新規出店した有名ハンバーガーチェーン、今回はオーソドックスなランチバーガーセットをオーダー。

待つこと数分、私も自分の時計でカウントしていたが規定の3分はなんとか超えずに受け取り、まぁ及第点か。

肝心の味だが、パティのうまみが物足りない。銀座の名店ステーキ△△なみとは言わずとも、普段使いする焼肉の◯◯と比較してもどうしても見劣りする。セットのポテトも昨年北海道で食べた農場の芋と比較してーー

(広島県・ロック藤本)

 

根本的に全国展開チェーン店の定番メニューレビューに需要があるのかと思うが、その内容のピントはずれ具合もすさまじく、なぜか価格や客層が全く異なる他店と比較してこき下ろしたりする。自分語りと似ている部分も多いが、こちらは弱い(と本人が思い込んでいる)相手を発見しては批判し、自分は強い、正義だと悦に入る分たちが悪い。

高級店と比較して劣りますと言われたところで、多くの人はそりゃそうだろと思うだけであり、総じて情報的な価値も低い。書いてる本人は楽しいんだろうなとは思える。

 

じぶんにっきモンスター 

ーーミクちゃんママ・よってぃ・フランちゃんとランチ♪ 

さてさてお昼はいつものメンバーにフランちゃんを加えて新規開拓です、待ち時間の合間にセールで獲得した戦利品のお披露目、狙っていたワンピースとハンドバッグはみんなに可愛いと褒めてもらってアタシも上機嫌、さらにホールスタッフにアイドルの◯◯クンに似たイケメンがいて、こっち来ないかなーと思っていたら気づいて注文を取りに来てくれました、想いが通じたのかな(●^^●)ーー

(埼玉県・たっくんママ)

  

まず出鼻から知らない登場人物だらけで面食らう。たっくんママの交友関係やライフスタイルは知ってて当然という前提で日記が垂れ流されていくので情報処理が追いつかず、さらに脈絡なくファッションや芸能の話、知人の悪口めいたことまで書かれ自分が何を読まされているのか混乱させられる。

肝心のレビュー部分はわりと当たり障りのないことが書かれることが多いが、店員がイケメンだから、当日のショッピングに満足したから、めざまし占いが1位だったからなどの滅茶苦茶な理由で評価が上下する謎基準が混入する例もある。

 

 

 幼児退行モンスター  

ーー今日は時間があったので知らないお店に挑戦(^0^)ワクワク

 

前から気になってたお店だけど11時時点で並びができてました(-_-;)アセアセ

 

席に着いた頃には限定セットは完売 ←ギャー(苦笑)

 

ムムム、これは店長氏に生産体制の改善を依頼せねばなりませんな( ̄ー ̄)ニヤリ

 

ここでいつもの★シマちゃんチェック★が発動!! ピコポコピーン!!

 

(*'▽')店員動きはまずまずといったところデスネ!!ーー

 

(千葉県・味析皇シマ)

 

 

とにかく読んでるだけで頭が悪くなりそうな文字列が展開され、読み手に苦痛を与える。これがけっこういい歳したおじさんが書いているラーメン屋のレビューとかに多いからもはや恐怖である。

一時「おじさんリプ」と呼ばれるものがSNS上でオモチャにされていたが、実際にこのような表現を良しとする層が一定数存在するのは何故なんだろう、ポケベルや最初期の絵文字文化人の中では時が止まっているのかもしれない。

このタイプは何故か同じタイプと横のつながりを持ち、変なオリジナルルールを作ったりするので面倒だが、レビュー数が多いので趣味があうなら一つの基準としては有用かもしれない。

 

聖域裁判モンスター 

ーーこの味を例えるならば、小生の青春アイドル、森野イチゴちゃんのセカンドシングル『ラズベリーキッス』のような甘酸っぱい爽やかさですネ。

ではここで歌詞解説をしていきますヨ。

♪春の 山奥で バスケットいっぱいの木の実が

↑イントロ部分でイチゴちゃんの若さ弾ける可愛さが独特の振り付けに現れますね~

…… 

 ※最近小生のレビューを口汚く罵り、荒らす輩が増えて困っています、私の愛するアイドルシリーズは強い信念を持って書き上げており、やつらが汚して良いものではありません。サイト運営には通報済ですが改善されなければ法的手段も考えていますーー

(兵庫県・イチゴ亭LOVE造)

 

アンチコメントとの終わりなき闘争が始まる。これまでの例と違うのは完全に自分の趣味コーナーが本来のレビューと入れ替わり私物化、そこを指摘されると突如被害者となって訴えると鼻息を荒げる自分しか見えていないタイプ。趣味語りは個人ブログでやれば良いのではと思えるが、なぜかそうした客観的な指摘すらもアンチの攻撃ととらえてしまうので手が付けられない。

 レビューとしてはかろうじて店を利用したことが分かる程度であり、そもそもレビュー目的の記載ではないためあまり役に立たないのが残念。

 

 

対話不能モンスター 

ーー風を感じるマジで空飛んでるみたいなアレなのよ

フワァーーーって声出るよホントやばいマジでやばい

ピースとかそれ系のアレすげえからマジやば感謝ーー

(秋田県・ヒロキ)

 

ーー明鏡止水恐悦至極我歓喜

極也味覚極楽境地悟境地甘辛心

絶妙尊大我成秘味加減店主ーー

(兵庫県・刳搾坊西方)

  

ーー大事!!ふぁんらまいいんがで切切!!

#もんふんぐ#ららいま#味良し# でめたんうまきりしま!!

@ららいまういん、弦月だm%&どいれんこの許し!! めてんだ!!!! ーー

(大分県・卍あいす卍)

 

 突き抜けすぎて第三者に伝えるというレビューの基本的な部分から崩壊させてくるダーティチャレンジャーである。完全に独自の世界に入ってしまったこれらの方々はもはやレビューがどうとかそういう問題ですらなく、ただひたすら不安な感情を与えてくるのが恐ろしい。

日本で承認されていないタイプのお薬を服用されているのか、宇宙からの電波を受信できてしまう人なのか詳細は定かではなく、なぜこのサイトに投稿したのかという疑問も尽きないが、実際に彼等のレビューと遭遇した場合、多くの人はそっとブラウザバックするよりほかに無い。

とにかく対処不能ではあるが、もしかすると水木しげる先生なら現代妖怪の仕業としてキャラクター化してくれたかもしれない。

 

 

 でもありのままの姿をみせられちゃ困るよね 

ここまで書いてきたが、私は彼らにやめろと言いたいわけではない、冒頭でも述べたが自由に書き込めることこそがこうしたサイトの魅力であるからだ。サイト側がレビューの質を追求することで、選別をはじめると本来の姿を失うことも意味する。

 

ただ一つだけお伝えしたい事がある。

他人の意見にとらわれず己のスタイルを貫くことが美徳とされがちな昨今だが、他者の意見に耳を傾けることは決して悪い事ではない。ましてや他者の意見を聞きたい人々が集まるサイトにおいて、他人の意見を軽視するのはもはや笑い話ではないだろうか。

あなたが誰かに何かを伝えようとする時、その文章や手段が適切かどうか、素直に自分の書き上げたもの見直せる人であってほしい。

 

様々な姿を見せるレビューサイトのモンスター達は、今日も迷い込んだ我々を困惑させる、そして私はこのAAを思い出すのだ。

 

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レビューサイトモンスターズ   終